好きになれとは言ってない
 ……っていうか、課長と結婚したら、私、辞めなきゃいけないわけよね、と気がついた。

 そのために開いたコンパだ。

 他の人には強制力はないし、結婚したら辞めろなんて、時代錯誤だから、辞めたい人だけ辞めればいいわけなのだが。

 言い出しっぺがなしってのは、なしよね……。

 って、結婚とかーっ、と遥は心の中で絶叫する。

 余計な心配かもっ、だって、なにも言われてないしーっ。

 ……鳥を飼うのはやめよう、以外。

 どうなるんだろうな。

 クリスマスも、お正月も、この先のこともっ。

 助けて、まどかさんっ。

 ケーッ!
としか言い返されない気がするが、なんとなくまどかに助けを求めていた。

 もうみんなの話題は、流行りのアクセサリーと近くに出来た店の話に変わっている。

 今日の服は胸許があまり開いていないので見えないが、一応つけてきている航がくれたネックレスに、服の上からそっと触れてみた。

 クリスマスプレゼントか。

 もらう、は別にいいかな。

 でも、なにかあげたいな。
< 404 / 479 >

この作品をシェア

pagetop