好きになれとは言ってない
「例のコンパ、やっぱ、大葉さんも来るんだ?」
とカムフラージュのように、特にいらない資料を手に小声で訊いてくる。
「そのようですね」
「じゃあ、私もメンバー入れといてよ」
モテるな、大葉さん、と思いながら、
「それは大歓迎ですけど。
でも、あのコンパ出ると、時代錯誤にも、結婚退職させられちゃいますよ」
と小声で返すと、
「ほんとにそんなことさせられるわけないじゃない~」
と亜紀は笑って、軽く言う。
いやいや。
奴はやりますよ、と、
『……あと十人だからな』
と呟いて、場を凍らせていた大魔王様を思い出していると、
「そんなのあんたの彼氏だけよ。
みんな普通にコンパに来るわよ」
と言ってくる。
「……誰ですか、私の彼氏って」
生まれてこの方、私は、私の彼氏とやらに、会ったことがないのですが、と思っていると、
「いやあね。
人斬り……
失礼。
新海課長に決まってるじゃないの」
と亜紀は言ってくる。
今、人斬り新海って言おうとしましたね……。
とカムフラージュのように、特にいらない資料を手に小声で訊いてくる。
「そのようですね」
「じゃあ、私もメンバー入れといてよ」
モテるな、大葉さん、と思いながら、
「それは大歓迎ですけど。
でも、あのコンパ出ると、時代錯誤にも、結婚退職させられちゃいますよ」
と小声で返すと、
「ほんとにそんなことさせられるわけないじゃない~」
と亜紀は笑って、軽く言う。
いやいや。
奴はやりますよ、と、
『……あと十人だからな』
と呟いて、場を凍らせていた大魔王様を思い出していると、
「そんなのあんたの彼氏だけよ。
みんな普通にコンパに来るわよ」
と言ってくる。
「……誰ですか、私の彼氏って」
生まれてこの方、私は、私の彼氏とやらに、会ったことがないのですが、と思っていると、
「いやあね。
人斬り……
失礼。
新海課長に決まってるじゃないの」
と亜紀は言ってくる。
今、人斬り新海って言おうとしましたね……。