好きになれとは言ってない
 結局、誰だったんだ……と思いながら、見送っていると、

「あ、遥さんっ。
 例のコンパ、私も呼んでくださいよーっ」
と階段を上がってきた後輩の優樹菜(ゆきな)に言われた。

「でも、きっと、もう人数オーバーだよー」

 大魔王様がどの程度の人数を想定しているのか知らないが、もう結構入れてくれと頼まれたからな。

 抽選にするのだろうか、と思っていると、えーっ、と優樹菜は文句を言ってくる。

「だって今、企画の小宮さんとコンパの話、話してませんでした?」

「ああ、あの人、小宮さんって言うんだ?」

「小宮さん、知らないんですか?
 もう~、さすがは遥さんですねー」

 さすがはってなんだ……と思ったが、優樹菜はまるで気にする風でもなく、
「あ、それと、イベントに使うんで、ロール紙ください」
と言いながら、総務までついてきた。





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