好きになれとは言ってない
二つの贈り物を胸に遥は言った。
「私、課長のこと、まだなんにも知りません。
なんの本を持っているのかさえ知らなかった。
だから、此処に連れてきていただけて、本当に嬉しかったです。
課長の自己満足なんたかじゃありません。
私、課長のすべてが知りたいんです」
あのとき、航が言ったのと同じことを言いながら、やっぱりちょっと違う意味にも聞こえるな、と遥も思っていた。
さっき、誰か入ってきたら、困るからしないと言っていたくせに、手すりをつかんだ航は身を乗り出し、二度目のキスをしてきた。
「遥……。
結婚しよう」
自分を見つめ、そう言ってくる。
正直言って、びっくりしていた。
この人、プロポーズするまでも時間がかかりそうだな、と思っていたからだ。
そう考えたことが伝わったようで、航が言ってきた。
「今だ、今。
今なら言える。
お前の考えでいけば、此処は宇宙なんだろ。
通常の空間じゃないから」
「私、課長のこと、まだなんにも知りません。
なんの本を持っているのかさえ知らなかった。
だから、此処に連れてきていただけて、本当に嬉しかったです。
課長の自己満足なんたかじゃありません。
私、課長のすべてが知りたいんです」
あのとき、航が言ったのと同じことを言いながら、やっぱりちょっと違う意味にも聞こえるな、と遥も思っていた。
さっき、誰か入ってきたら、困るからしないと言っていたくせに、手すりをつかんだ航は身を乗り出し、二度目のキスをしてきた。
「遥……。
結婚しよう」
自分を見つめ、そう言ってくる。
正直言って、びっくりしていた。
この人、プロポーズするまでも時間がかかりそうだな、と思っていたからだ。
そう考えたことが伝わったようで、航が言ってきた。
「今だ、今。
今なら言える。
お前の考えでいけば、此処は宇宙なんだろ。
通常の空間じゃないから」