好きになれとは言ってない
「なにそれ、一生養ってもいいなって、結婚するときには絶対、男は思うものなんじゃないの?」

「えー。
 そりゃ、そうかもだけど。

 でも、お前らとか、結婚しても働くんだろ?

 今、夫婦別会計の家も多いし、一生養わなきゃとかは思わないかなあ」
と真は心のままにしゃべって、

「なんなのよ、あんた。
 そんなだから、彼女にフラれるのよ」

「例え現実にはそうでも、女の方が働く気満々でも。
 自分が養ってやるくらいの気構えは見せなさいよっ」
と付き合っているわけでもない女子軍から、猛攻撃を受けていた。

「うわっ。
 めんどくせっ。

 迂闊にそんなこと言ったら、今度は、
『じゃあ、私には働くなって言うのねっ。
 外には出るなって言うのねっ。

 一生、洗濯してご飯作ってるだけなんて、私は嫌よっ』
 って言うくせにっ」

 リアルだな、真。
 言われたのか……?

「俺、お前らとは絶対、結婚しねーっ」

「じゃあ、あんた、大魔王様のコンパには来ないでよねっ。
 私たち行くんだからっ」
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