好きになれとは言ってない
 




 航たちより先に遥たちは食べ終わった。

 天気がよかったので、外の自動販売機の前で、缶コーヒーを飲みながら喋る。

「今日は小堺さん居なかったね」

「朝、出てくの見たよ。
 外回りじゃない?」
と朝子たちが言っているのを聞きながら、

「小堺さんがどうかしたの?」
と訊くと、

「あんた、ほんとに新海課長しか目に入ってないね。

 いいじゃないの、小堺さんも。

 ちょっと一癖ありそうだけど、大葉さんほど軽くないイケメンで」
と朝子が言う。

 そうだったのか。

 二人とも、大魔王様の手下その一、その二としか認識していなかった。

「遥さん、小宮さんも知らなかったんですよー」
といつの間にか混ざっていた優樹菜が言い出した。

「さすが遥ね」
とまた言われてしまう。

 朝子が、
「他に誰が来るのか知らないけど。
 今わかってる中での、今度のコンパ、イケメンランキングは、
 新海課長、小宮さん、大葉さん、小堺さんね」
と言い出した。
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