【短】幼なじみに手紙を。~大好きなあなたへ~




それにこの字に見覚えがあったから。


力強く角張ったきれいな字。



白い手紙の裏には何も書かれていないけど、誰が書いたのか、誰が送ったのかが私には見当がついた。



私は食卓から少し離れたソファに座って、それを丁寧に開けた。



涙か溢れた。

これはやばいやつだ。なにしてくれちゃってるの。ガンちゃん。


こんなのバカじゃん。ずるいじゃん!





「ママっ、ちょっとガンちゃん家行ってくる!」



そう言ってすぐ向かいの家に走っていった。


ベルを鳴らすとガンちゃんママの声がして、ドアが開けられた。



「お!みきちゃんじゃん!いらっしゃい!」


男勝りなガンちゃんママはすんなり私を迎え入れて、ニヤニヤした顔を向けて上の階をさした。




「ドーゾ、ごゆっくり〜」


鼻歌交じりに去っていったガンちゃんママを白い目で見つつ、会釈をして駆け上がった。






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