【短】幼なじみに手紙を。~大好きなあなたへ~
「ガンちゃん……」
『ごめんね』
そう言おうとしたのに言葉よりも先に涙が溢れてきた。
私を見る彼は一瞬目を見開いて、それから私だけにする優しい笑顔を向けた。
視界は完全にぼやけてるのに、そう見えるのは好きな人だからだろう。
涙を止めようと拭っているとふわっと身を包まれた。
久しぶりのガンちゃんの香りに自然と笑みがこぼれる。
「ガンちゃ──っ!?」
少し離れた彼を見上げる。
い、いま、キス……したよね?
「バカなんじゃないの?みきって」
「んなっ!」
なにいきなりバカって!!
イタズラに笑った目の前の彼をみて、少し後ずさった。
「あんなこと書かなくても、いくらでも言ってあげるのに?」
「へ?!」
「なに、忘れてんの?」
そう言って手に持っているものを私の前にチラつかせる。
「うわあ!それはっ!!」
それはっ、私が昨日ポストに出した手紙!!
……てことは、もう見たってこと!?
だよね、そうじゃないとああやって言うわけない、もんね……!
「が、ガンちゃんこそっ!」