【短】幼なじみに手紙を。～大好きなあなたへ～

さかのぼること一週間前。



私たちははじめてケンカをした。



それはとても些細な、ほんと小さなことで。


私がガンちゃんに怒って、そんなあなたは訳の分からない顔をして私をただ見ていた。



その表情にまたイラついて、

『もう知らない！』なんて言葉を投げて家を出てしまった。




……私がいけないんだ。






嫉妬なんてするから……。



バカだよねー。

画面の向こうに現れた綺麗な女優さんに嫉妬だなんて。



でも、ガンちゃんがいけないんだよ？



『オレ好きだな、……この人』って。




こんなこと言うガンちゃんじゃないのに。


いつもクールで無愛想で、あんまし喋らない無口なガンちゃんなのに。





その女優さんに向けた言葉が、表情が、私には気に食わなかったんだ。