きっと、最初で最後の恋
✱ 兄妹であり友達
中学2年の夏がやって来ていた。
梅雨も明け青空が広がる7月。
タンクトップの少年が
虫取り網片手に汗を流しながら
私の目の前を自転車で
通り過ぎて行った。
今からセミでも取りにいくのかな?
優しくしてあげてよ
あんま長生きできないみたいだから
少年には届いていないだろうが
いつか同じように思ってくれたらいいな
空を仰ぐことすらためらうくらい
今日は太陽が元気だ。
おはよう。
生ぬるい風を浴びながら
私も少年に負けないくらいの
汗を額から流し自転車を漕いだ。
、、、今日も遅刻だ。