きっと、最初で最後の恋
海里や飛央がいつの間にか
小学校を卒業する年になり
2人は私を置いて中学生になった。
だが、中学校の入学式に
飛央の姿はどこにもなかった。
生徒の名簿に 空井飛央 という
名前もなければ 席もなかった。
飛央は入学式2日前に
この街を出ていったのだ。
何も知らなかった。
誰も知らなかった。
海里にさえ飛央は黙っていたんだ。
あの時の 驚き も 悲しみ も
虚しさ も 怒り も 全部全部
とある感情によって消えていった。
" 恋しさ "