先輩!小説の主人公になってください!
あっ‥、しまった!

「いや、別に。使う必要もないし。買わないだけだから。」

また、俺はそんなことを言って本に逃げようとした。

すると大和は‥

「先輩、イヤホンは聞いたことはありますか?」

「‥名前は聞いたことがあるよ。けど‥使ったことはない‥。」

そう言うと大和はかばんからイヤホンを出した。

「柊人先輩、一緒に聞きましょうよ。知らないままでいるより知っておいた方がいいですよ。杉内のヘッドホンはさすがに使えないですけど‥。」

大和は俺の隣の椅子に座ってイヤホンを渡してきた。

他の奴らなら、ここで見捨てるのに大和は見捨てなかった。

俺はイヤホンを受け取り音楽を聞いてみた。

大和のおかげで俺の心は少しだけ温かくなった。
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