先輩！小説の主人公になってください！

放課後、私と彩月は部室に向かっていた。

「‥どうしたの伊織？なんか、元気ないね‥。何かあったの？」

彩月までもが心配そうに聞いてきた。

私はよっぽどひどい顔なのかな？


「なんでもないよ。今日は少し疲れただけだよ。」


「そっか‥。ならいいけど、部活の時ぐらいは楽しもうよ！」

彩月は笑顔で言った。

「そうだね！文芸部は癒しだもんね！よーし、今日もやるぞ！」

私はあのことを忘れることにした。いつまでもひきずっているわけにはいかない。


ガチャ 私は部室のドアを開けた。



「こんにちは‥‥あれ？誰もいないよ？‥テーブルの上に何かある‥。」

誰もいない部室の机の上にはメモみたいなものがあった。

そのメモの内容を彩月が読んだ。


「今日の17時、ここに集合 部長、光岡大和」

メモのところに地図が書いてあった。


「了解です。‥てか、大和先輩すごく律儀で笑っちゃうね！」

彩月は楽しそうに笑った。

「だね。彩月、今から行こうか。‥でも、何するんだろう？」

私は全然分からなかった。

「まぁまぁ、それは行ってからのお楽しみてことで！ほら早く行こう！」

そう言うと彩月は私の背中を押してせかした。

「ちょっと、彩月！押さないでよ！」

‥と言いつつも少し楽しみだった。

これから何があるのか‥。






ついた場所は綺麗なレストランだった。

「今日、部活する場所て‥ここ？」

あまりに綺麗なレストランだったので、少し戸惑ってしまった。

彩月を見ると彩月も少し戸惑っているようだった。

「い‥行こう！ほら‥伊織行くよ！」

私は彩月についていくことにした。

中に入ると、中はとても綺麗で私達が入るには場違いな気がした。

「何名様でしょうか？」

近くにいた男性の店員さんに声をかけられた。

「え‥えーっと‥。部活の集まりなんですけど‥‥。」


そう彩月が言ったとき、奥から笑顔の大和先輩がやって来た。

「よぉ！部室のメモ見てくれたんだな！」

「や‥大和先輩！」

私はすがるような気持ちだった。

やっと、この空気から解放される‥！

「こっちだよ。ちょっと遅かったから、見に来たんだ。ついてきて。」

私と彩月は店員さんに会釈して、大和先輩についていくことにした。