先輩!小説の主人公になってください!


ついていった私は少し大和先輩に文句を言いたくなった。


「大和先輩、ひどいじゃないですかー!こんなに綺麗な場所を2人で来させるなんて!私‥こういうところ入ったことないのに‥。」

‥と愚痴る私。

「そうですよ!大和先輩も一緒に来てくれたら心強かったのに!」

さらには彩月までが文句を言っていた。

「いやぁ、ごめんごめん!こっちにも準備があったからさー。咲和先輩と柊人先輩だけだと少し、心配だし‥。」

あとの言葉があんまり聞こえなかったが、準備ていう言葉が少し気になった。

「あ‥あの‥準備て‥なんですか?」

私は聞いてみた。

「それは‥これだよ‥!」

大和先輩はある部屋のふすまをあけた。

そこには‥新入生歓迎会!という垂れ幕が飾られていた。その部屋で咲和先輩と柊人先輩がクラッカーをかまえていた。

それに机には‥豪華な夕食が‥

「ちょっ‥まだ、クラッカーは鳴らさないでくださいよ‥!」

大和先輩が慌てて言った。

「わかってるわよ。ね?柊人。」

「ラジャー。」

咲和先輩に促された柊人先輩は気楽にそう答えた。

私は‥そんな先輩を見るとドキドキして直視できなかった。


「まぁ‥そんなわけで‥今日は新入生歓迎会をやりたいと思います!」


パン!!!パン!!!

クラッカーが鳴った。

「だからまだです!!」

大和先輩は先輩2人に注意していた。



本当にこの部はマイペースだな‥。


「とりあえず、入って。今日の主役は伊織と彩月だから2人は真ん中ね。」

そう言って大和先輩は席に座るよう促してくれた。

和室にある席は四角いテーブルだった。だから、結構せまい‥

私の隣には彩月と咲和先輩。その向かいには大和先輩。そして、彩月の隣には柊人先輩がいた。


「2人はまだ未成年だからジュースね。‥という俺もまだ、未成年だからジュース。‥先輩達は‥」

大和先輩の声を遮って2人の先輩は言った。

「お酒。」‥と咲和先輩。

「俺も。」‥と柊人先輩。


「‥ですよね。すみませーん!」

大和先輩はやっぱりという顔をしながら注文をしていた。


店員さんが行ってしまうと彩月が口を開いた。

「でも‥ここ高かったんじゃないんですか?こんなに綺麗だし‥。」

心配そうに言っていた彩月だったが大和先輩がサラッと言った。


「大丈夫だよ。ここ、俺のバイト先だし。それに‥歓迎会をするて言ったら喜んで少し値段下げてくれたし‥あっ‥でも、全員で割り勘だからね。」

大和先輩が可愛くウインクした。


「ええっ!!?ここ、大和先輩のバイト先なんですか!?」

私はびっくりして思わず大きな声で言ってしまった。

「そうだよ。ここ俺のバイト先。‥本当に‥いいリアクションしてくれるよな、伊織て‥。」

大和先輩は笑いを堪えながらいった。

そこにさっき注文したジュースとお酒が入ってきた。

「よしっ!飲み物もそろったところで乾杯しましょう!」
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