先輩!小説の主人公になってください!
ドキッ!!
顔がさらに赤くなる。
「さ‥咲和先輩‥何、言って‥」
「‥今日、柊人来ないから聞くチャンスだと思って。‥で、どうなの?好きなの?」
咲和先輩が私に迫りながら聞いてきた。
「咲和先輩。あんまり後輩をいじめないでください。部長として見過ごすわけにはいきませんよ。」
大和先輩は今日、使う物を整理しながら言った。
顔はいつも以上に真剣だった。
「でも、大和くんも気になるんじゃない?ほら、キスのこともあるし‥」
「咲和先輩!!!」
大和先輩がすかさず止める。
私は私で地雷を踏まれてそれどころではなかった。
「伊織、嫌だったらこんなの答えなくていい。自分の気持ちは自分の心の内に秘めておけ。」
大和先輩が言った。
「‥何、大和くん。ここって時だけ部長面するんだ。普段、頼りないのに。」
咲和先輩が大和先輩を挑発する。
それを聞いた大和先輩は咲和先輩と向かい合った。
「気持ちは強制的に言わせるものじゃないです。それは部長でなくても俺だったらやめさせます。」
大和先輩と咲和先輩の間には火花が散っている。
彩月はこの様子にオロオロしてるし、私は思考が止まってて、それどころじゃない。