先輩!小説の主人公になってください!
「うっ‥せ‥正解‥。」

さつきはこういうところはするどい。

「やっぱり!でもそこが伊織の良いところでもあるよね。そのおかげですごくいい小説書けてるもんね。」

「あ‥ありがとう!さつ‥」

感動して抱きつこうとしたら止められた。

「でも人の話も聞かないと駄目だよ伊織。そんなことしてると大事な話とか聞き逃しちゃうことだってあるんだよ。気をつけないと。」

「‥はい、以後気を付けます。」

「わかればよろしい!」

そう言って2人で笑いあった。

ひとしきり笑ったあと、彩月は真剣な顔になった。

「伊織、学部は違うけど大学でもよろしくね。」

「うん!こちらこそよろしくね彩月!彩月のこと頼りにしてるね!」

彩月は社会学部に所属している。

彩月は受験を共に頑張ってきた仲間だ。

「そういえば今日、部活動紹介があったよね?一緒に見に行かない?」

彩月が思い出したように言った。

「行く行く!!」

2人は部活動紹介が行われる場所に向かった。



2人が紹介が行われるホールに行くと席はほとんど埋っていて、空いているところは少なかった。
空いているところを見つけて2人は座った。

私はふと思ったことを口にした。

「彩月も何か部活かサークルに入るの?私はもう決まってるけど‥。」

「入るつもりをしてるよ。高校はバトミントン、途中でやめちゃったし、今度は長続きするのがいいなー。‥伊織は絶対、文芸部に入るでしょう?」

核心をつく彩月。

「本当に彩月はなんでもお見通しだね。尊敬しちゃうよ。」

「ありがとう!高校からの付き合いだから伊織の考えてることとか分かるよ。」

彩月がそこまで言ったときだった。

「これから部活動の紹介を始めさせてもらいたいと思います。」

という声とともに紹介が始まった。

部活動紹介は運動部の方から始まって、どれも楽しそうなものばかりだった。

「続いて、文芸部の紹介です。」

よし、来たっ!

私は内心でガッツポーズをする。

出てきたのは男子学生だった。

「初めまして、新入生のみなさん。僕は文芸部の部長をしています。文芸部は主に本を読んだり、小説を書いたりして活動を行っています。文化祭には作ったものを冊子にまとめて発行したりしています。本が好き。小説が好き。気になるていう方でも構いません。みなさんの入部お待ちしています。以上、文芸部からでした。」
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