先輩!小説の主人公になってください!
私はどういうことかと凛ちゃんの顔を見た。
凛ちゃんの顔はいつも通りニコニコとしていた。
「本当に優しいね大和は。信頼されてるんだね。」
大和先輩のことを呼び捨てにしてる‥。
「り‥凛ちゃん‥。」
私は大和先輩と凛ちゃんがどんな関係なのか気になった。
だから、聞こうとしたんだけど‥
「安心して伊織ちゃん。私は伊織ちゃんの邪魔なんかしないから。」
笑顔で言う凛ちゃんにそれ以上のことは聞けなかった。
聞いたらダメな気もした。
そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら私は授業を受けた。
授業終了後、昼休みに突入したが、大和先輩と凛ちゃんのことがあってから部室に行く気にはならなかった。
だから私は食堂で一人、昼食をとっていた。
‥大和先輩は‥彩月のことが、気になるて言ってた‥。
彩月よりも‥凛ちゃんの方を好きになったんだろうか‥
その時だった。
「伊織!今日は部室、行かないの?」
ビクッ!!!
「な、なんでもありません!!!大和先輩のことなんて何も知りません!!」
驚きのあまり思わずそんなことを言ってしまい恥ずかしくなった。
声の主を振り返るとそこには彩月がいた。
「何、言ってるの伊織?大和先輩がどうかしたの?」
彩月が笑いながら言った。
「い‥いや、なんでもない。今日はなんか、そういう気分じゃなくて‥。」
大和先輩と凛ちゃんのことを彩月に言うには気がひけた。
「へぇーめずらしいね。いつもなら授業、終わったらすぐに行くのにね部室に。」
「まぁ、私にもそういう気分の時があるんだよ。」
「そう?じゃあ、私も今日は食堂で食べようかな。隣、いい?」
そういうと彩月は空いている隣の席に腰をかけた。
私と彩月は二人して弁当を食べ始めた。
だけど、やっぱり彩月に気になる質問をせずにはいられなかった。