先輩!小説の主人公になってください!
机の上に置いたスマホが着信をつげた。
それは大和先輩からのLINEだった。
私は早速、開けてみた。
“今日はごめん。反省してます。明日も部活あるので、都合がよければ来てください!“
そういう内容だった。
でも、私は既読無視することにした。
大和先輩の性格からして、どれだけ反省しているか分かってる。
だけど‥今は誰にも話したくない気分だった。
それからしばらく、私は大和先輩だけでなく伊織や咲和先輩から来るLINEも既読無視をし続けた。
それだけじゃない。部活もずっとあの日の部活以来休み続けている。
授業が終わるとすぐに帰っていた。
そんなある日、私はいつも通り2限の授業に向かっていた。
すると、前からは大和先輩が来るのが見えた。
やばっ!!
そう思い私は急いで物影に隠れた。
幸いにも大和先輩は歩きながらスマホを見ていて気づいている様子はなさそうだった。
私は少し息をついた。
その時だった。
「大和!」
そう呼ぶ声に私が見ると、女の子が大和先輩に駆け寄るところだった。
だ‥誰‥?
「おー、凛。」
大和先輩はスマホから顔をあげて答えた。
女の子と大和先輩は仲良さそうに見える。
「大和、これから授業?」
「俺?俺は空きゴマなんだ。凛は‥その様子からして授業がありそうだな。授業、寝んなよー。」
「寝ないよ!大和じゃあるまいし。ねぇ、それよりまた家に来てよ。」
えっ!?い‥家!?
私は心の中でつぶやく。
「‥その内、気がむいたらな。最近は困ったこととかないか?」
「ないよー。」
「そうか。じゃあ、また困ったこととかあったらいつでも連絡してこいよ。すぐに行くから。」
「うん。ありがとう大和。じゃあ、またね!」
そう言って女の子と大和先輩は行ってしまった。