先輩!小説の主人公になってください!
想い
「彩月、具合はどう?」
授業が終わり私は部室に寄る前に保健室に寄った。
「うん。もう大丈夫。まだ、ちょっとふらふらするけど。」
顔色は時間がたつにつれ、よくなってきているようだった。
「よかったー。今日は部活、どうする?」
「今日は行くよ。みんなに迷惑かけたし。それに、ちゃんと謝らないといけないから‥みんなに。」
「そっか‥。じゃあ、行こっか彩月。文芸部に!」
「うん!!」
そう言って、私と彩月は部室へと向かった。
部室へ行くと、めずらしく全員がそろっていた。
「あれ、もう大丈夫なの?顔色もよくなってるしよかったね!」
‥と咲和先輩が彩月の頬をさわりながら言った。
「お陰様で‥。迷惑かけてすみませんでした。それだけじゃなくて、LINEも既読無視してすみませんでした。」
彩月は誠意をもって頭を下げていた。
「いいの、いいの!!気にしないで!そういうときもあるからー。女の子なんだから仕方ないよ。」
「本当にすみませんでした。柊人先輩も‥生意気なこと言ってすみませんでした!」
「いいよ。俺のは余計なお節介だったかもしれないし。」
柊人先輩はなぜか、ムスッとした顔をしていた。
‥なんで?
「じゃあ、久しぶりに全員がそろったことだし、部活始めようか!」
「はい!!!」
全員がそろって返事をした。
そして大和先輩が仕切り、いつも通りの部活が始まったのだった。
「俺、ちょっと用事があるから後始末頼みます。お疲れさまでした!」
部活終了後、大和先輩がめずらしく部室を後にした。
「伊織。ちょっと、私も寄りたいところがあるんだけど待っててくれる?」
「うん、いいよ。どこかで待ってるよ。」
「ありがとう!」
そう言って彩月は行ってしまった。
私も帰ろうとすると、咲和先輩がなぜかニヤニヤしながら言った。
「まぁ、後は‥ごゆっくりー。お疲れさまでした!」
行ってしまってから、咲和先輩が言っていたことを理解した。
見ると部屋には柊人先輩と私しかいない‥。
ということは‥2人きりだー!!
そう思い始めると心臓がドキドキし始めた。
な‥何‥話そう‥。
「伊織。」
「はいぃぃぃ!!!」
いきなり呼ばれて返事が変になってしまった。
恥ずかしい‥
「‥こっち、座ったら?」
柊人先輩が隣の席を示しながら言った。
「は‥はい。失礼します。」