先輩!小説の主人公になってください!


私は先輩達にならって靴をぬいだ。



かがんだ際、私は奥にある1つのドアが開いていることに気づいた。


「取りあえず、みんなの部屋に案内するから来て。」


柊人先輩の声に我に返ったが、どうもあの部屋のことが気になって仕方なかった。



だから‥私はみんなについていくふりをしてそのドアの中を見てみた。



見てみようとのぞきこんだのだが‥



バタン



その前に、気づいた柊人先輩によって閉められて閉まった。



私と柊人先輩の目が合う。


「あ‥あの、先輩!」



「‥ここは、入ったら駄目だから。入ったら呪われるぞ?」



笑顔で「呪われるぞ?」と言った柊人先輩の顔に私は本気でゾクッとした。


今まで感じたことのない寒気だ。


先輩はそれだけ言うと再び歩き始めたが私は完璧に固まってしまった。



「伊織、行くよ。」



「あ‥うん。」



彩月の声でやっと動くことができたが心の中はもやもやでいっぱいだった。














「ひ‥広い‥。さすがは、向井家‥。」



部屋に案内され、またしても咲和先輩は口をあんぐりと開けていた。



部屋は一人ずつ個別に用意されていて、部屋は広くとても綺麗なところだ。



「じゃあ、俺と大和はあっちの部屋だから。まぁ‥大丈夫だと思うけど、くれぐれも夜這いには来るなよ咲和。」



「ちょ‥ちょっと!なんで、私にばかり限定するのよ!!‥てか危ないのはあんた達でしょう!?彩月、あんた気をつけなよ。」


咲和が彩月の肩をつかんで言う。



「もしかしたら、大和くんが彩月のところに‥」


「えぇっ!?」




女子2人に見られた大和先輩は顔を真っ赤にさせ、たじたじになりながら言った。



「い‥行きませんから!!し‥柊人先輩も女子の前でこう言うことは言わないでください!」



「冗談に決まってんだろう。だけど、例外もありうるからな。くれぐれもお互いの部屋には近づかないように。」



「はい!!」



みんなの声にいっそう力が入った。


「‥で、大和。これからどうする。さっそく始めるか?」



「そうですね。じゃあ、荷物置いたらどこかに集合しましょう!」


「はい!!」



いよいよ合宿が始まります!!
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