先輩!小説の主人公になってください!
柊人先輩の秘密
(彼はある秘密を隠していたのだった━━)
夕食も終わり、私は自室で柊人先輩をモデルにした小説を書いていた。
まだまだ、中盤だ。
あれからというもの咲和先輩がちょっかいを出しまくり、話は進まなかった。
本当、咲和先輩は人が悪いていうかなんというか‥
コンコン
「はい!」
ドアの音に振り向くと彩月が入ってきた。
「咲和先輩が、女子だけで女子会しようて。伊織行くでしょ?」
「うん。行く行く!」
私は急いで小説を閉じた。
私と彩月が行くと咲和先輩がもう、準備して待っていた。
「いらっしゃーい!待ってたよ!」
「お邪魔します‥。」
「そんなに緊張しないでよ!」
そう言って私たちは室内にある椅子を持ち寄って話し合った。
「よし、女子会といえばやっぱこれでしょ!恋ばな!」
定番キター!!‥と思ったのは私だけでしょうか?
「ねぇ最近、大和くんとはどうなのよ?」
一番に彩月の方に群がるだろうなと思ったよ。
一方の彩月はと言うと‥
「え‥えーと‥普通‥ですよ?」
顔を赤くして言った。
「えー。詳しく教えてよ?」
なおも咲和先輩は面白そうに言う。
「本当に、どこにも行ってないんですよ最近。大和先輩も忙しそうだし‥私から誘うのも気がひけて‥。」
「誘ったらいいじゃん。大和くん喜んで行くと思うよ。」
「いや‥なんというか‥その‥」
「何、戸惑ってるのよ!大和くんは心の広い奴だから彩月のこと大事にしてくれるよ、きっと。自信持ちなって!」
咲和先輩が彩月の肩をたたく。
「は‥はい!」
「じゃあ‥次は‥」
そう言って咲和先輩は私の方を見た。
あの‥これ‥恋バナ‥ですよね?
なんか‥近況報告みたいな‥それでいて、やっつけ‥みたいな?
「伊織は‥柊人とは進展なさそうだね。」
「あの‥決めつけるのやめてくれませんか?まぁ‥事実ですけど‥。」
少し、咲和先輩の言動にイラッと来たもののなんとか耐えた。