まっすぐ。くるくる。
入学式も、ホームルームも終わり、みんなの緊張もすこしほぐれてきたころ。
うつむいていたオレ目の前に現れた人がいた。


目をやると、一人の女生徒がものすごい怖い目つきで俺をにらんでいた。


「全然っ似合わんっ キモっダサッ 二中の恥やん 」

「うわっ真央かっ!ビビッタ~」
しばらく声を出さずにいたもんやから、声が裏返ってしまった。


「なんなん、それ。何か辛いことでもあったんか?」
さっきまでにらんでいた顔ではなく、心底心配そうな顔でオレに質問する真央。


「いや、何も」
「嘘や。何もないわけないやろ!そんな激変。また好きな子に振られたんか?」


あのね、
またって、失礼だと思いませんか?

「あの王子さまコスプレ以来の衝撃やな~、おかげで同じクラスだったのちっとも気づかなかったし」


っつうかお前っ
真央!
王子さまコスプレって言ったな!
そんな大声でいったら、みんなに聞こえちまうだろうが。


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