まっすぐ。くるくる。
隣のクラスの廊下から、男の怒鳴り声が聞こえた。
みんなが何事かと、一斉に廊下をのぞいた。

そこには真央と。
サッカー部の青田???
 
怒鳴っているのは青田。
すごい形相で立っているのは真央。
ただ真央の方は無言で青田を睨み付けていた。



「ふざけんじゃねー。お前、オレにこんなことしてどうなっかわかってやってんだな!!」
それでも真央は無言・・・

群集は増えるばかりだったけど、ただふたりの動向を見守るだけだった。

「なんとか言えよっ」
青田が真央につかみかかろうとして、慌てて男子生徒の何人かがそれを止めようとした。

オレもそのうちの一人。

「まぁ、落ち着けよ。冷静に。冷静に」
 
みんなが言ったからかどうかわからないけど、青田は自分のカバンをドアにぶつけた。
ガチャーン、とひどい音がして、みんなはびくっと肩を震わせた。







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