まっすぐ。くるくる。
「うっしゃ、できたで~」
鏡の中には、スタッフさんと全く同じ髪型になった・・オレが居た。

ただ、この髪型がすきなだけなのでは?
という疑問が浮かんだけど、
「似合うで~ ハジけたわ~」
と、その気にさせるようなことを言って絶賛されたので、単純なオレは、本当にその気になって帰ってきた。



それが、家族には不評、みたい。



夕食後、さつきに呼ばれた。

「お兄ちゃん、ちょっと方向が間違っちゃったみたいだけど、あたしがそれらしくしてあげるよ」

そう言われ、鏡の前に座らされた、。

手に持ったのは、母さんとさつき兼用の化粧品のボックス。


「なな、何する気だよ~」
オレは怯えた。
取り返しがつかないことになっちまうよ。

後ずさりして、猛ダッシュで逃げようとしたけど。

「だいじょうぶ、へへ。」
さつきは不敵な笑みを浮かべて、オレににじり寄ってきた。



「ヒーッ。たた、助けてー」

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