不安の滓
「あのさ――」
言いかけてから、ふとテーブルの上に置かれているものが視界に入り、声が止まった。
それは――件のライターだった。
何者かによって、盗まれてしまったはずのライターが……なぜここにあるのか?
「こ、これ……?」
妻は振り返りもせずに、「ああ、それ、探してたんでしょ?」と小声で答える。
探していたのには違いないが、どういう経緯でこのライターが出てきたのだ?
「ど、どこにあった?」
妻は振り返ることもなく、片手に包丁を握ったまま、片手を上に挙げて天井を指差した。
言いかけてから、ふとテーブルの上に置かれているものが視界に入り、声が止まった。
それは――件のライターだった。
何者かによって、盗まれてしまったはずのライターが……なぜここにあるのか?
「こ、これ……?」
妻は振り返りもせずに、「ああ、それ、探してたんでしょ?」と小声で答える。
探していたのには違いないが、どういう経緯でこのライターが出てきたのだ?
「ど、どこにあった?」
妻は振り返ることもなく、片手に包丁を握ったまま、片手を上に挙げて天井を指差した。