不安の滓
 白い部屋の夢はおかしな所で現実的だった。
 普通は夢といえば時間の感覚は狂うものだろう。
 しかし、白い部屋の夢、その中の時間の流れは現実世界と何ら変わることが無いようだった。
 いや、時間がどれだけ経っているのか、夢の中の私にそれを計る術はない。
 しかし、白い部屋の中でかなり長い時間が経過していると感じる。
 私の眠っている時間が、そのまま白い部屋に滞在している時間。

 そのような感覚だ。
< 32 / 66 >

この作品をシェア

pagetop