宮野さんはいつも困ってる
あれもこれもやってみたくて、ついきょろきょろ。

「萌花、ちゃんとついてこないとダメだろ!」

腕を掴まれて顔を上げると、お兄ちゃんがちょっと怒ってた。

「ごめんなさい」

心配、させた。
きっとお兄ちゃんがいなかったら、いまごろ迷子になってた。
大丈夫、とか云っておいて、こんなんじゃ信頼されないのも当たり前。

「まあ。
いままでこんなところに連れてこなかったもんな。
気になるのは仕方ない。
でも、はぐれると困るからな。
兄ちゃんの手、しっかり掴んどけ」

「うん」

ちょっと恥ずかしいけど。
そうしないと、ほんとに迷子になっちゃいそうだし。

「宮野先輩、萌花、たこ焼き食べよー」

「うん、いま行くー」

みんなと屋台を見て歩く。
あこがれの、りんご飴だって買った。
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