宮野さんはいつも困ってる
「無理、するな。
つらいなら、云え。
嘘付かれるのが一番堪える」

「先生……」

……それは、私に云ってるのですか?
それとも云えなかった誰かに云ってるのですか?

「少し横になっとけ。
顔色、悪いぞ」

「……はい」

先生の言葉に甘えて、ソファーで横にならせてもらった。
学校でずっと気を張ってるせいか、そっと私のあたまを撫でてくる先生に、次第に眠りに落ちていく。

……先生はいったい、誰と私を重ねてみているのですか?
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