宮野さんはいつも困ってる
本屋さんを出てカフェでお茶。
最近のテレビとか本とかそういう話。
学校の話は杉本先生のことくらいかな?
椛島先生のことになりそうになると、さりげなく変えてくれる。
そういう気遣いが嬉しい。

「萌花、帰るぞー」

連絡もらった通りに、お兄ちゃんが五時に迎えに来た。
あっという間に終わってしまった時間が悲しい。

「宮野、これ」

帰り際、明石くんに小さな袋を握らされた。
帰って開けてみたら、悩んで買わなかった、水色のシュシュが入ってた。

……そういうところ、やっぱり好き。
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