宮野さんはいつも困ってる
床に座る先生の前に座って熱いコーヒーを啜る。
先生はただ、黙って私を見てた。

窓の外はまだ、雨音が続いてる。

「……先生」

「ん?」

カップが空になると、自然と口から声が出た。

「先生のこと好きになったら、先生は私を守ってくれますか?」

「守るよ。
一生かけて守る」

先生はずっと優しく微笑んだまま、私を見つめてる。

「じゃあ。
……私は先生のこと、好きになります」

「……そうか」

少し悲しそうに歪んだ、先生の顔に気付かなかったふりをした。

手がゆっくりと伸びてきて、私を抱きしめる。
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