宮野さんはいつも困ってる
くすんくすんと小さく泣きながら、あいてる手で先生の服を掴む。
おでこをこすりつけると、そっと髪を撫でてくれた。
涙目で見上げると、おでこにキスしてくれる。

「俺が宮野を守るから。
世界の全てから守るから」

「……うん」

おでこに、瞼に落とされる優しい口づけに。
ゆったりと髪を撫でる手に。
今度は夢も見ない泥のような眠りに落ちていく。

「だから、もうしばらくは、……このままでいさせてくれ」

先生の小さな呟きを最後に、意識は完全に泥に沈んだ。


「じゃあ、行ってくるな」

「……いってらっしゃい」
先生がいなくなるのが淋しくて泣きそうになったら、ちゅっとキスしてくれた。

「そんな顔されたら行きたくなくなるだろ」

「……ごめんなさい」

「だから、そんな顔するなって」
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