宮野さんはいつも困ってる
床に座って先生がカップラーメンにお湯を注いで戻ってくるのを待ってた。
今日のお弁当は唐揚げ。

「宮野、あーん」

「……自分で食べ、ます」

「そうか」

淋しそうに笑う先生から箸を受け取る。
唐揚げを一つとご飯を少し食べただけでやっぱりおなかいっぱいになった。

「もういいのか?」

「うん」

「じゃあ、ケーキ食っとけ」

「うん」

私がケーキに手をつけると、先生は残りのお弁当を食べ始めた。
いつものように一つケーキを食べて、私のごはんはおしまい。

「もういいのか?」

「うん」

わしゃわしゃとあたまを撫でられて、お風呂に入る。
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