宮野さんはいつも困ってる
ニヤニヤ笑ってる杉本先生に、思わず葵ちゃんの背後に隠れてしまう。
葵ちゃんは猫みたいにふーって毛を逆立ててるけど。
杉本先生には効いてないみたい。

「もう熱はないかなー?」

「さわんなっ!」

「いってーな」

葵ちゃんに、伸ばした手を叩かれても、杉本先生はやっぱりニヤニヤ笑ってる。

……うん。
完全に相手にされてないよ。

「ま、いいや。
……みやのー、おうちの人が迎えに来るってよ」

「えっ!?
これくらいで連絡したんですか!?」

「だって理事長が連絡しろって」

……ううっ。
誠おじさん、恨むよ?
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