宮野さんはいつも困ってる
「おまえもさっさとバスに乗れ。
そろそろ出発だ」

「……はい」

私のあたまをぽんぽんして、ほかの先生のところに行く杉本先生の背中をほーっと見てた。
すでに喉がからからで、水分とらなきゃ、なんて思う。

「萌花!なにしてるの!?」

急にかけられた声に我に返る。
心配そうな葵ちゃんにぎこちなく笑顔で返した。

「うん。
もうすぐ出発だって」

「じゃあ、早く乗らなきゃおいて行かれるよ?」

「そだね」

バスに乗って席に着くと、葵ちゃんが心配そうに私の顔をのぞき込んだ。

「どうかしたの?
顔、赤いよ?
……もしかしてすでに熱中症!?」
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