宮野さんはいつも困ってる
無理は、禁物。

「うん……。
ちょっと休憩、いい?」

「いいよー」

お水を飲むと、少し落ち着いた。
私たちが最後尾らしく、周りに生徒はいない。
少し後ろ、杉本先生は黙って立ってる。

「みやのー」

不意に呼ばれて周りを見渡すと、明石くんが戻ってきてた。

「大丈夫?」

明石くんも心配そうに私の顔をのぞき込む。
だから私はふたりに、思いっきり笑顔で返した。

「大丈夫。
無理、してない」

「わかった。
もうちょっとで頂上だから、頑張ろう」

「僕が荷物持つよ」
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