魔女ときどき高校生

「シゲさん、行くよ〜」

[おー、俺は大丈夫だぜ〜。
鍵閉め忘れるなよ。]

「はいはい、忘れないよ。
だから先に出てね。」

美咲は鍵をかけて家を出た。
電車で二駅先で降りて7分程歩いた所にある喫茶店に向かっている。
その喫茶店は魔法界への出入り口になっている。
出入り口は様々な所にあり、多くの魔法使いが行き来をしている。

カランカラン♪

「いらっしゃいませ〜。」

「あ、これでお願いします。」

そう言って美咲は杖を見せた。

「あ、扉を使いたいのね。
わかったわ♪
でも、偉いわね〜。
これから授業でしょ⁇
昼間もこっちでお勉強して。
おばさんの時代は向こうの高校で卒業して大学に行くか、仕事するかのどっちかだったから。
ダブルスクールは大変だけど頑張ってね‼︎
あ、長々と喋っちゃったわ。
急いでるわよね⁇
さ、扉は奥だからね。」

「あ、ありがとうございます。」

そうして美咲とシゲさんは奥の席に着いた。

「あの人初めて見る人だね。」

[だな。
それにものすげーマシンガントークだしな。]

「シゲさん、失礼でしょ。」

[へーへー、気をつけますよー。]

美咲とシゲさんの前にコーヒーが置かれた。
そのコーヒーの湯気が2人(1人と1匹)の身体の周りに少しだけ纏わり付いた。
すると2人はふわり消えた。