空港のある街では、今日も泣きたくなるほどの青い空が広がっている
だから私は最後にこう言った。

「嘘つき。私のことなんかどうでもええんやろ? ほんならどこにでも勝手に行けばええやん。アンタなんか大嫌いや。」





今日、彼は自分自身の夢のために飛行機に乗って一人で遠くへ行ってしまった。

何度も一緒に見上げた空はどこまでも青くて、太陽の眩しさに目がくらみそうになる。

滑走路目掛けて飛んでくる飛行機に向かって、喉が切り裂かれそうなほどの大声を張り上げ彼の名前を呼んだ。


ずっと一緒にいようって約束は守れんでも、せめて私のことを好きやって言葉だけは嘘でもいいから残して欲しかったのに。

だから私も大嫌いって嘘ついたんやで。


「私を置いて行くなアホー‼ホンマは好きやー‼大好きやー‼」



彼に届くことのない言葉を何度も叫んで見上げた雲ひとつない青い空が、にじんで見えた。


彼はここにはもういないけれど、空港のある街では今日も泣きたくなるほどの青い空が広がっている。




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