3度目のFirst Kiss
今日の展示会は午前10時スタートだ。
8時を過ぎると、現場スタッフがどんどんと会場に入って来て、各ポジションの準備をし始める。

9時からの最終全体ミーティングが終わる頃には、開場まで、後20分程となり、開場全体の緊張感が高まっていく。

何とも言えないこの空気は、何度、経験しても高揚感を与えてくれる。

どんなイベントも緊張と緩和を繰り返しながら、進んでいくけれど、その切替えのタイミングを間違えると、大きな失敗にもつながりかねない。

それを現場のプロ達は、肌で覚えているので、一体感からこの緊張感が生み出されるのだ。

10時の開場と共に多くの来場者が受付に押し寄せて来た。

来賓の方もいれば、一般の見学者もいる。
来賓の方はもちろん、一般と言っても、モータースポーツに関係する企業や団体の方々が大半を占めている。
だから、各会場やブースの出展者のプレゼンスケジュールを案内するのも受付の重要な役割で、それぞれに興味のあるブースに向かっていく。

来賓の方々は、モータースポーツ業界の大手企業や団体の役員の方々が殆どで、こちらから招待をして来て頂いている。

来賓の方が来られた時は、すぐにインカムを通して生田君とクライアントに報告し、控室に案内をする。

午前の会場はスムーズに流れ、昼を過ぎると受付も落ち着いて来た。

私は本部に戻り、各ポジションに問題がないかをインカムを使って確認をする。

今のところ、問題はなさそうなので、それぞれのポジションで昼休憩を回してもらうことにした。
休憩室には、今日のスタッフの人数分のお弁当とお茶が準備されている。

私も本部室でホット一息を付くと、受付に残っている川口さんに休憩を回そうと、受付ブースに向かった。
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