3度目のFirst Kiss
奈緒子の秘策
日曜日の昼過ぎ、私は奈緒子ととある公園の中にあるカフェにいた。
天気も良くて、風が気持ちいい。
ただ、今の奈緒子にはそれはあまり関係ないらしい。
私と川口さんの昨日のやり取りを話すと、さっきからずっとお腹を抱えて笑っている。
「ねぇ、いつまで笑ってるの。やっぱり奈緒子には言うんじゃなかった。」
「だって、こんな面白い話がありますか?
中学生って!川口さんも良く分かってるわ、先輩のこと!それで、先輩は何て返したんですか?」
「何も言ってない。言い逃されたから。」
「言い逃された?益々、面白いです。」
奈緒子は遂に涙まで流している。
他人事だと思って。
「で、先輩はどうするんですか?生田君のこと。
もう、生田くんの気持ちにも気付いてますよね。」
「分からない。」
「いや、ほんとに中学生だわ。いつまでそうやって、逃げてるつもりですか。」
「だって、彼女いるし。この間の居酒屋の件だってあるし。」
「いや、その生田君からキスされたんですよね。」
「でも、勢いって言われたし。酔っ払ってたし。
あんなの私を揶揄うための悪ふざけだよ。それなのに、変な噂になっちゃうし。」
「先輩、中学生よりタチが悪い。中学生はもっと素直です。」
奈緒子は自分の鞄から携帯を取り出し、誰かに電話をし始めた。
「あっ、もしもし山根です。今回は本当に迷惑を掛けて、ごめんなさい。」
奈緒子の電話の相手が、彼氏の矢沢さんでないことは、はっきりした。
「だれ?」
私は口パクで奈緒子に聞く。
「ところで、お疲れだとは思んだけど、生田君は
今、何をされてますか?」
私の焦りなんて無視して、奈緒子は話を続ける。
「私は今、綾香先輩とランチをしてるんですけど、
綾香先輩が生田君と話があるみたいなの。だから、少し時間を作ってもらえないかと思って。」
「あっ、大丈夫ですか?ありがとう。
じゃあ、私は車なので、生田君の家の近くまで彩華先輩のこと送って行くね。また、近くなったら、連絡しますから。急に無理言ってごめんね。じゃあ。」
奈緒子は勝手に話を進めて、電話を切ってしまった。
「彩華先輩、もう逃げられませんよ。ちゃんと蹴りを付けて来てくださいね。」
「いや、何でそんな勝手に。」
頭がクラクラして来た。
天気も良くて、風が気持ちいい。
ただ、今の奈緒子にはそれはあまり関係ないらしい。
私と川口さんの昨日のやり取りを話すと、さっきからずっとお腹を抱えて笑っている。
「ねぇ、いつまで笑ってるの。やっぱり奈緒子には言うんじゃなかった。」
「だって、こんな面白い話がありますか?
中学生って!川口さんも良く分かってるわ、先輩のこと!それで、先輩は何て返したんですか?」
「何も言ってない。言い逃されたから。」
「言い逃された?益々、面白いです。」
奈緒子は遂に涙まで流している。
他人事だと思って。
「で、先輩はどうするんですか?生田君のこと。
もう、生田くんの気持ちにも気付いてますよね。」
「分からない。」
「いや、ほんとに中学生だわ。いつまでそうやって、逃げてるつもりですか。」
「だって、彼女いるし。この間の居酒屋の件だってあるし。」
「いや、その生田君からキスされたんですよね。」
「でも、勢いって言われたし。酔っ払ってたし。
あんなの私を揶揄うための悪ふざけだよ。それなのに、変な噂になっちゃうし。」
「先輩、中学生よりタチが悪い。中学生はもっと素直です。」
奈緒子は自分の鞄から携帯を取り出し、誰かに電話をし始めた。
「あっ、もしもし山根です。今回は本当に迷惑を掛けて、ごめんなさい。」
奈緒子の電話の相手が、彼氏の矢沢さんでないことは、はっきりした。
「だれ?」
私は口パクで奈緒子に聞く。
「ところで、お疲れだとは思んだけど、生田君は
今、何をされてますか?」
私の焦りなんて無視して、奈緒子は話を続ける。
「私は今、綾香先輩とランチをしてるんですけど、
綾香先輩が生田君と話があるみたいなの。だから、少し時間を作ってもらえないかと思って。」
「あっ、大丈夫ですか?ありがとう。
じゃあ、私は車なので、生田君の家の近くまで彩華先輩のこと送って行くね。また、近くなったら、連絡しますから。急に無理言ってごめんね。じゃあ。」
奈緒子は勝手に話を進めて、電話を切ってしまった。
「彩華先輩、もう逃げられませんよ。ちゃんと蹴りを付けて来てくださいね。」
「いや、何でそんな勝手に。」
頭がクラクラして来た。