3度目のFirst Kiss
遂に、生田君の家の前に着いてしまった。

奈緒子が携帯を取り出すと、生田君に電話をする。

「もしもし、山根です。今、着きました。ここに先輩を置いていくので、後はよろしくね。」

それだけ言うと、奈緒子は電話を切って、私を車から追い出した。

「先輩、もう逃げないでくださいね。ご報告、楽しみに待ってますから。」

そう言うと、彼女は走り去ってしまった。

どうしよう・・・。

目の前のマンションからパーカーとジーンズ姿の生田君が出てきた。

いつもはスーツ姿の生田君がラフな格好をしている。
見慣れない姿に、それだけで胸が高鳴る。

「広瀬さん、お待たせしました。」

「こちらこそ、疲れてる時にごめんなさい。奈緒子が急に電話なんかして。」

「いえ、俺も広瀬さんと話をしたかったから。それに、休日の広瀬さんと会えて、俺ドキドキしてます。」

私は、まさかこんな事になると思ってなかったら、
ラフなワンピースを着ていた。

「あの近くに公園があるんで、そこに行きませんか。天気もいいし。」

そう言うと、生田君は歩き出した。私は、その後を付いて行く。
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