3度目のFirst Kiss
彼は、もう一度、私の手を取り歩き始めた。
そのまま最寄駅の一つ遠い駅まで、私達は歩いた。

これからどうなっていくんだろう。

まだ何も始まってない。

明日のことだってどうなるか分からない。
川口さんは生田君に告白したって言ってた。
他にもそんな女の子がいっぱいいるだろう。
私の身体のことだって話してない。
生田君の元カノのことだって気になる。

考えるとキリがないし、すぐに不安になって来る。

「彩華さん、また一人で考えてマイナス入ってませんか?これからは、そういう時は、俺に話してください。」

生田君がぎゅっと手を握り直した。

「彩華さんのことだから、急には無理だと思うけど。でも、彩華さんの場合は、言葉にしなくても全身で叫んでくれるみたいなので、分かりやすいと言えば分かりやすいけど。」

夕焼けが綺麗に、空を赤く染め始めた頃、私達は駅に着いた。

「今度は夕焼けだけじゃなく、綺麗な夜景も一緒に見ましょうね、彩華さん。」

そう言いながら、生田君は一瞬、私を引き寄せて抱きしめた。

やっぱり強引だ。でも、今はそれが心地いい。

私は改札を通り、自宅への電車に乗った。

これからどうなるかは分からない。
まだ、私達のhappy endは先にあるのかもしれない。

でもきっと、幸せが待っていると信じることにする。
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