3度目のFirst Kiss
「今日の事は、本当にごめんなさい。正直、勢いに任せちゃったところはあります。でも、広瀬さんだったからキスしたんです。」

ほら、やっぱり勢いなんだ。
広瀬さんだからって言うのは、彼なりの気遣い
だろう。

「落ち着いてみると、大人になってキスぐらいで騒ぐのもどうかと思うの。生田くんのおかげで誰にもバレてないなら、私はそれでいい。」

「本当は傷付いた。」なんて、素直に言える程、
もう若くないのは自覚している。

「生田君も忘れて。」


「・・・忘れられても困るんですけど。」

生田君がそう呟いた様な気がしたけど、上手く聞き取れなかったから、聞こえない振りをした。
< 24 / 129 >

この作品をシェア

pagetop