3度目のFirst Kiss
「生田君、もう、帰るから、カバン返してくれる?
ここからなら、タクシーも拾えるから。」

大通りには、客待ちをしているタクシーも止まっているし、駅まで歩いても、そう遠くはない。

「いや、だから、広瀬さんと、俺はちゃんと話がしたいんです。」

「私が、生田君と何の話をするの?」

「えっ、いや、だから・・・。あの、広瀬さんって、俺のこと、どう思ってます?」

唐突の質問に、内心、ドキッとするけど、彼の質問の意図が掴めない。

「えっと、仕事ができる好青年だと思ってるよ。
でも、今日の事で、それに『チャラい人』って言うのが付け足されたけど。」

「広瀬さん、俺のこと誤解してます。」

「勢いでキスするなんて、女慣れしたチャラい人だと思うけど。」

「それはそうですね・・・。」

この戦いは私の勝利で終わりそうだ。
< 25 / 129 >

この作品をシェア

pagetop