3度目のFirst Kiss
皆が唖然としている中、当然の様に田崎君だけが、また、焼飯をほうばり始めた。

そして、誰にも気付かれない速さで私を見て、嫌らしく笑った。

田崎君は、鈍感でも天然でもない。
彼は、策略家なのだと確信した瞬間だった。
もう今更、遅いのかもしれないけど。

「相手は?うちの社員か?」

「誰だったかな?」

明らかに、彼は答えを知っている。そして、私の反応を見て、楽しんでいるんだ。
私は目を逸らして、唇を噛み締めるしかなかった。

「誰だよ?これ以上、焦らすなよ。まさか、この中にいるのか?」

「やだ!」

一部の女子が叫んだ後、誰もが固唾を飲み、
彼の言葉を待った。
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