3度目のFirst Kiss
最初に、新人社員の川口さんが会議室に入って来た。準備された会議室に気付くと、唇を噛んだ。

「すみません。会議の準備をして頂いて。本来なら、私の役目なのに、ありがとうございます。」

確かに、会議の準備は、新人の役目だ。

「こちらこそ、ごめんね。私が声を掛ければ、良かったね。準備は、川口さんがしたことにしようね。」

「すみません。私、今回、こんな大きな展示会は初めてで。まだ、自分の役割もこなせてなくて。」

「最初はみんなそうだよ。私も、新人の頃はずっと先輩の後ろを付いて歩いてたぐらいだから。川口さんもその内に慣れるよ。」

「ありがとうございます。」

「川口さんも山根さんがいなくて、余計に大変でしょ。もし、私で分かることなら、遠慮なく聞いてね。」

「もう、分からないことだらけです。山根さん、大丈夫なんでしょうか。明日は来られるんでしょうか。
私がもっとしっかりしてたら・・・。」
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