3度目のFirst Kiss
同時に、生田君が走って、会議室に入って来て、みんなに向かって、謝罪をした。

「すみません、遅くなりました。」

「いや。時間通りだよ。今回の件では、負担も大きくて大変だろう。大丈夫か?まぁ、私は君の力を信じてるから、心配はしてないけどな。」

部長からのこの言葉は、きっと生田君の大きな励みになるだろう。

それに遠回しに北村さんへの皮肉も込められている。
さすが、営業部の部長になる人は、器が違うな。
部下に対する絶妙な言葉とタイミングを熟知している。

全員が揃い席に着くと、早速、会議が始まった。

「生田、まずは進捗状況を教えてくれるか?」

部長が、生田君に質問する。

生田君は、クライアントや業者との打ち合わせ内容や、それに対する進捗、明日からの設営と展示会当日の流れなどを含めたスケジュールを報告した。
その内容には、本来、奈緒子と川口さんに任せられている役割も入っていた。
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