3度目のFirst Kiss
そんな時間を過ごしていると、京都への到着を知らせる音楽が鳴り始めた。

生田君にまだ起きる様子はない。

起きて欲しい気持ちと、もう少しこうしていたい思いが交差していると、後ろに座っていた川口さんが立ち上がった気配がした。

私はこの状況に舞い上がってしまい、川口さんの
存在をすっかり忘れていた。

彼女はトイレに行くのか、私を明らかに睨みつけながら、横を通り過ぎて行った。

ドアの向こうに消えて行ったが、彼女はその内に戻って来る。

それまでに、この状況を何とかしなければ・・・。

まさか、出足からこんなに波乱万丈になるなんて
思ってもみなかった。

生田君を起こそうと、肩を動かして声を掛けてみるが、彼はまだ起きない。
< 90 / 129 >

この作品をシェア

pagetop