3度目のFirst Kiss
新大阪駅は、大阪の中心から少し離れた場所にある。
会場までは、何度か電車を乗り継がなければならない。
「会場までタクシーで行きましょうよ。電車だと無駄に時間が掛かりますし。このタクシー代なら、経費で落とせますから。」

確かに、ここまで来たら、早く会場に入りたい。
設営業者との約束の時間も迫って来ているし、出来れば、それまでに一通り、会場の下見をしておきたい。

今回の会場は、今までにも何度か他のイベントで利用した事があるけど、イベントによって、その会場の使い方や動線は全く違ったものになる。

私達はタクシー乗り場に向かい、客待ちをしているタクシーに乗り込んだ。

生田君が助手席、私と川口さんが後ろの席に座る。
車中は、生田君と運転手さんが、話をしていて、
私と川口さんは無言でお互い、窓の外を眺めていた。

大阪のタクシーの運転手さんは、良く言えばフレンドリーでよく喋り掛けてくる。生田君もそれに合わせて、2人は初対面とは思えない程、盛り上がっていた。

今日ほど、大阪のタクシーに助けられたことはないと、心の中で運転手さんに感謝する。
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