恋はたい焼き戦争
「えー、なになに?どこ行っちゃうの〜?ぎゃはは」
まーくんの言う通り、厨房に下がろうと背中を向けるが、腕を掴まれてしまった。
「まだ俺らとの話終わってないじゃんね?」
徐々に増していく腕の痛み。
この腕を今すぐ振り払って1発くらい殴ってやろうか、そう思った時。
「…こいつは俺のなんで。手、出さないでもらえますか」
「ははっ、そんなの知ったこっちゃねえし」
私が振り払おうとしたその男の腕を掴んだのはまーくんだった。
「堂々、交際宣言ですか?お熱いねぇ〜」
「お帰りください」
「キスして見せてよ。
付き合ってんでしょ?」
「…!」
この人らに対する怒りが最高潮に達し思わず胸ぐらを掴みそうになる私とは違い、まーくんは酷く冷静に口を開いた。
「迷惑だと言っています。まだこれ以上続ける気ならこちらにも方法はありますが。
…その制服、赤崎高校ですよね。あと、そのラインは3年生…ですか。警察沙汰にはしたくないですよね?」
その言葉に一気に青ざめていく男たち。
「…悪い鈴、あんな嘘ついて。それに変なことも言われて…」
「ううん!助けてくれてありがとう…!」
流石に俺の、と言われた時は嘘だとわかっていてもドキッとしてしまったけど…