恋はたい焼き戦争
「今日はお母さんの具合がちょっと悪くてね…」
「そうだったのか。早く良くなるといいんだがな…」
少し重くなった空気を切るかのようにまーくんの家のインターフォンが鳴った。
「ああ、そうだった。さっきからお前の弟とやらがうるさいんだ」
本当の弟ではないけど…
弟同然に接している子がいる。
急いで玄関に向かい、まーくんに扉を開けてもらうと、
「やっと出てきたーー!おはよう、鈴姉ちゃん!!!」
明るい茶髪と元気な声。
くりくりした可愛い目。
彼は風間 かえで(かざま かえで)。
私より1つ年下の彼と出会ったのは中学の時だった。